不動産相続の名義変更とは?放置した場合のデメリットや期限まで解説

不動産を相続した場合、名義変更(相続登記)をおこないます。相続の発生直後はほかにやることも多く、つい面倒に感じてしまうものですが、名義変更はいつまでにおこなうべきなのでしょうか。名義変更をおこなわずに放置した場合のデメリットや期限、そして自分で手続きをする方法までを詳しく解説します。

 

不動産相続の名義変更とは

不動産が誰のものであるかを明確にする書類が、履歴事項証明書(登記謄本)です。不動産の所有者が亡くなった場合、履歴事項証明書の内容を更新しなければ、その不動産が誰の所有物なのか、法的な判断ができません。そのため、不動産相続をした際は、名義変更(相続登記)が必要になります。

不動産相続の名義変更はいつまでにおこなうべきか

相続登記は義務ではないため、名義変更の期限はありません。所有者が亡くなってから数年放置したとしても罰則が適用されることがなく、放置したとしても、ただちに問題が生じることはないため、安心してください。ただし、2023年を目途に相続登記が義務化される見通しとなっており、義務化後は罰則が適用される可能性が高いため、注意しましょう。

不動産相続の名義変更をおこなわず放置するとどうなるのか

現時点で相続登記は義務化されていませんが、登記を放置すると、以下のようなデメリットが生じます。

<不動産相続の名義変更を放置した場合のデメリット>

  • 相続した不動産を売却できない
  • 相続した不動産を担保にしたローンを申し込めない
  • 将来の遺産分割協議が難航する
  • 登記に必要な書類を収集しにくくなる

それぞれを詳しく解説しましょう。

相続した不動産を売却できない

相続した不動産を売却する際は、その物件が確実に自分自身の所有物であることを証明できなければなりません。しかし、相続登記が完了していない場合、物件の持ち主は、被相続人のままになっています。客観的に見て、その人が所有する不動産であることが明白だとしても、登記が完了していなければ売却はできないのです。

相続によって取得した不動産を売却したい場合は、売買契約を締結する日までに相続登記を完了させましょう。相続登記が未完了のままでは売買契約が成立せず、売却のチャンスの逃してしまうため、要注意です。

相続した不動産を担保にしたローンを申し込めない

先述した理由と同様に、相続不動産の所有者であることを法的に証明できない以上、不動産を担保にしたローンを利用することもできません。不動産担保ローンは、教育資金や介護費用などさまざまな場面で利用できるローンなので、いざというときのために申請ができる状態にしておくといいでしょう。

将来の遺産分割協議が難航する

相続登記をせずに放置している間に、相続人が死亡するケースも考えられます。この場合は相続人からさらにその相続人へと不動産の相続権が移り、将来的には関係性が薄い人物と遺産分割協議をおこなわなければなりません。この結果としてコミュニケーションをとりにくくなり、協議が難航する恐れがあります。

登記に必要な書類を収集しにくくなる

相続登記には、被相続人の除籍謄本や原戸籍が必要なケースもあります。これらの書類は被相続人の死後5年程度が経過してからは取得しにくくなり、場合によっては必要書類をすべてそろえられません。相続登記には期限がありませんが、遅くても必要書類を確実に取得できる5年以内には完了させることがベターです。

不動産相続の名義変更を自分でおこなう方法

不動産相続の名義変更を、自分でおこなう場合の手順を解説します。

1.必要書類を集める
市役所や区役所で、以下の必要書類を集めます。

<相続登記の必要書類>

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍
  • 被相続人の住民票の除票
  • 相続人の戸籍
  • 登記をおこなう人物の住民票
  • 固定資産評価証明書

    2.遺産分割協議書を作成する
    相続人が複数いる場合は、遺産分割協議書を作成します。相続する人物を明確にしたうえで、相続人全員が署名・押印しなければ、遺産分割協議書は効力を発揮しません。

    3.相続登記の申請書を作成する
    登記申請書を取得して必要事項を記入し、相続登記の申し込みをおこないます。

    4.登録免許税を支払って、登記を完了させる
    固定資産評価額の0.4%を登録免許税として支払い、登記を完了させます。登録免許税は収入印紙で納付するため、必要な金額分の収入印紙を郵便局などで購入しましょう。必要書類とあわせて法務局に提出し、受理されれば相続登記が完了します。

まとめ

不動産相続後は、名義変更(相続登記)が必要です。相続登記は2022年時点で義務化されていませんが、登記が完了するまでは、不動産の売却や不動産を担保にしたローンの申し込みができません。放置すると登記の申請が困難になる恐れもあるため、なるべく早く手続きを済ませましょう。

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