相続財産に土地が含まれていて、これを兄弟で相続するケースも多々見受けられます。親族間での遺産相続にトラブルは付き物ですが、どうすれば兄弟で平和的に土地を活用できるのでしょうか。具体的な案とともに、注意点もあわせて詳しく解説します。
土地の相続後に兄弟で活用する方法は大きくわけて4種類
土地の相続後、兄弟で土地の活用を目指す場合は、以下の4つが主な選択肢となります。
<土地の相続後に兄弟で活用する方法>
- 居住用の物件を建てて生活する
- 賃貸用の物件を建てて経営する
- 住宅以外の施設を設けて経営する
- 土地を売却して現金を分割する
それぞれの特徴を、わかりやすく解説しましょう。
居住用の物件を建てて生活する
兄弟仲がよく、生活エリアも似ている場合は、相続した土地に自宅を建てて暮らす方法があります。戸建て住宅を2つ並べてもいいですし、アパートやマンションを建設してその1室に住んでもいいでしょう。アパート・マンションを建設する場合、余剰分の部屋を設けることにより、家賃収入を得ることも可能です。
賃貸用の物件を建てて経営する
相続人は居住しない賃貸用の物件を建てて、共同で経営する方法です。家賃などの収益は兄弟間で分割するため目減りしますが、修繕費や管理費といった維持費を折半できます。ただし、共有分割で賃貸経営をおこなう場合、兄弟の意思が合致しなければ、建物全体の売却ができない点には注意が必要です。
住宅以外の施設を設けて経営する
多くの入居者を見込めない場合は、住宅以外の施設を設けて共同経営してもいいでしょう。有効な投資法は、地域の特性によって異なります。都市部なら駐車場経営でも利益を上げられる確率が高いですし、土地が広ければ資材置き場にしたり、太陽光発電をおこなったりといった活用方法も有効です。
土地を売却して現金を分割する
土地そのものの共有が難しいと判断した場合は、土地を売却して現金化し、兄弟で分割しましょう。1円単位での分割ができるため、この方法がもっとも紛争を起こしにくい土地の活用方法です。ただし、土地の条件によっては買い手が見つかりにくいことや、売買手数料がかかることには注意しましょう。
土地の相続を兄弟でおこなう場合のポイント
土地の相続を兄弟でおこなう場合、揉め事を避けるために、以下のポイントを意識しましょう。
<土地の相続を兄弟でおこなう場合のポイント>
- 完全に平等な分割は難しいことを双方で理解する
- 更地のまま放置することはできる限り避ける
- 相続放棄する場合は相続から3ヶ月以内に申し出る
- 土地活用に煮詰まったら地域の事情に精通した不動産会社に相談する
それぞれをわかりやすく解説するので、兄弟間でのトラブルを避けるためにも、注目してみてください。
完全に平等な分割は難しいことを双方で理解する
土地の分割を100%平等におこなうのは難しいことを、兄弟の双方で理解しましょう。もっとも公平に見える土地の現金かも、兄弟のうち誰か1人でも売却に反対している人がいれば、遺恨になる可能性はあります。最初は仲よく賃貸物件等の運用ができていても、誰か1人に管理の負担が集中するうちに不公平を感じるようになり、やがてトラブルに発展する可能性はあるのです。
更地のまま放置することはできる限り避ける
兄弟間で協議を重ねている間は、土地を更地のまま放置することになります。しかし、この間も固定資産税が発生しますし、管理責任もはたさなければなりません。使わない土地を放置するのはリスキーなので、できる限り早く協議を終えて、土地の活用方法を決断しましょう。
相続放棄する場合は相続から3ヶ月以内に申し出る
相続財産が土地だけで、なおかつ利用価値がないと判断した場合は、相続放棄も視野に入れましょう。ただし相続放棄ができるのは、相続が発生してから3ヶ月以内です。この期間を過ぎると相続放棄が認められない可能性が高くなるため、注意しましょう。
土地活用に煮詰まったら、地域の事情に精通した不動産会社に相談する
土地活用に煮詰まったり、なかなか買い手が見つからなかったりする場合は、その土地がある地域に精通した不動産会社に相談しましょう。独自のコネクションをたどって売却先を見つけたり、地域の特性に合った有効な土地の活用を見つけやすくなったりといったメリットを享受できます。
まとめ
土地の相続を兄弟でおこなう場合、有効な土地の活用方法は、全部で4種類です。ただし兄弟間でも財産に関するトラブルが発生することは多く、慎重に活用方法を決定しなければなりません。不動産会社などの第三者からの意見を取り入れながら、平和的な土地の活用方法を見つけましょう。
ヘヤミセでは、熊本市内に特化して仲介業務や管理業務をおこなっています。個々の事情や理想を鑑みながら、理想的な土地の活用方法をアドバイスできるので、土地の処遇にお困りの場合は、弊社までご一報ください。