アパート・マンション経営では、建物の価値や安全性を維持するための建物管理が必要です。建物管理の業務内容は多岐にわたりますが、とくに重要なポイントとして「共用部の清掃」を挙げられます。この記事では、具体的な共用部の範囲を紹介したうえで、適度に清掃を実施するメリットを解説します。
共用部の清掃はどこからどこまで必要?
共用部という言葉だけでは、具体的にどんな場所なのか判断しにくいかもしれません。まずはアパート・マンションの主な共用部と、共用部と専有部の違いについて解説します。
アパート・マンションの共用部は多い
アパートやマンションの主な共用部は、以下のとおりです。
<アパート・マンションの共用部>
- エントランス
- 通路や廊下
- 階段
- ベランダやバルコニー
- その他、ゴミ捨て場など共同で使う部分
住民が共同で使う場所や、建物全体のイメージを左右する場所が共用部として扱われます。
共用部と専有部の違い
専有部とは、入居者だけが使用する場所です。一般論としては、室内だけが専有部にあたります。ベランダやバルコニーは専有部と誤解されがちですが、火事などの非常時は避難経路として住民が共同で使う場所であるため、共用部として扱われることが普通です。
共用部の清掃を適度に実施するメリット
共用部の清掃を適度に実施するメリットは、以下の3点です。
<共用部の清掃を適度に実施するメリット>
- 入居者の満足度が上がる
- 犯罪にあうリスクを下げられる
- 入居率アップにつながる
それぞれを詳しく解説します。
入居者の満足度が上がる
共用部が常に清潔な状態ならば、入居者が衛生環境に満足して過ごしやすくなります。においなど特有の問題も発生しにくいため、入居者の満足度が上がり、退去を防ぎやすくなるでしょう。
犯罪にあうリスクを下げられる
窃盗犯や放火犯は、管理が行き届いていない建物をターゲットにすることが目立ちます。適度に清掃をおこなうことは、監視の目が強いことを犯罪者にアピールすることにもつながり、犯罪被害にあうリスクを下げられることもメリットです。
入居率アップにつながる
清潔感のある賃貸物件とそうでない賃貸物件では、圧倒的に前者が支持されやすいことは、火を見るよりも明らかです。入居者の満足度を高められるだけでなく、入居率アップに直結させられる点も、清掃をおこなうメリットとして見過ごせません。
とくに効果を発揮するのは、入居希望者が内覧に訪れた場合です。たとえ築年数が古い賃貸物件だとしても、共用部の清掃が行き届いていれば入居希望者が抱くイメージがアップし、成約に結び付けやすくなるでしょう。
共用部の清掃を専門業者に任せるメリット・デメリット
共用部の清掃は、専門業者に委託することも可能です。この項目では、清掃を専門業者に任せるメリットとデメリットを、それぞれお伝えします。
【共用部の清掃を専門業者に任せるメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
---|---|
・清掃に時間や手間をかける必要がなくなる ・質の高い清掃作業を受けられる |
・入居者とのコミュニケーションがとりにくくなる |
それぞれわかりやすく解説しましょう。
メリット①:清掃に時間や手間をかける必要がなくなる
清掃作業には、手間や時間がかかります。会社員のかたわら不動産経営をする人や、運用する物件から自宅まで遠い人の場合、自分自身で清掃をおこなう時間をとりにくいでしょう。また、オーナーが高齢者の場合、たとえ近くに住んでいたとしても、清掃作業にかかる肉体的な負担に耐えられないかもしれません。専門業者に依頼すれば、どんな人でも、最適な状態で建物を管理できます。
メリット②:質の高い清掃作業を受けられる
自分自身で清掃作業をおこなう場合、掃除が行き届かない部分があったり、きれいにしきれなかったりする場合がある点がネックです。専門業者なら、プロのスタッフが専用の機器を使って清掃作業をおこなうため、常にきれいな状態を保てます。
デメリット:入居者とのコミュニケーションをとりにくくなる
デメリットとなるのは、入居者とのコミュニケーションがとれないことです。掃除の最中に挨拶をしたり、世間話をしたりすることで信頼関係を築ける場合がありますが、業者に依頼すると、このチャンスがなくなります。また、自分自身の目で建物の劣化状況などを確認しにくいことも、デメリットです。
まとめ
共用部の清掃をおこなうことで、入居率のアップや入居者の満足度向上などのメリットを得られます。自分自身で清掃ができなくても、専門業者に清掃を依頼することが可能です。状況に応じて外注も視野に入れながら、建物の資産価値を守りましょう。
ヘヤミセでは、熊本市周辺の仲介業務に加え、賃貸管理・建物管理などのサービスも請け負っています。清掃を含む管理全般にご不安やお悩みをお持ちのオーナー様は、ぜひ当社にご相談ください。